暴露試験結果のまとめ

はじめに
試験は大分県九重町で行った。大分県の温泉の多くは火山性温泉であり、噴煙はその特徴である。九重町は九重火山群があり多数の温泉があります。暴露試験は硫黄泉噴煙の近傍で行った(写真2)。硫黄泉は硫化水素ガスを含み、硫黄泉の特徴である、卵の腐った匂いが周辺に立ち込めていました。硫化水素ガスは、鉄、銀などの金属を酸化させる(写真3.4)。このように、試験場所であるやまなみ荘は、硫化水素ガスが充満し、周辺のグレーチング、マンホール等を腐食させ、コンクリートを侵食させる(写真5)過酷な環境下のもとで、暴露試験を、行った(写真6)。

試験日:平成29年9月10日~平成30年10月2日まで(387日間)
場 所:大分県玖珠(くす)郡九重町田野230 やまなみ荘
立会者:福岡大学 建築学科 古賀教授 本田講師 研究員2人 ㈱日総 伏木、大西、中田

1、暴露試験状況写真

2、試験体

3、試験結果

①力骨付きラス(焼付け塗装仕上げ)

②力骨付きラス(メッキなし)

③平ラス(メッキなし)

④ステンレスラス(SUS304)

⑤波型ラス(メッキあり)

⑤波型ラス(メッキなし)

ステープル

4、まとめ

平成29年9月10日から試験を開始(写真7)、平成29年11月14日(写真8)、65日が経過した。さらに94日が過ぎ(写真9)、そして159日が過ぎ開始時からは387 日が経過し、今回が最終観察となった。

力骨付きラス焼付け塗装仕上げ、(写真12)に、錆の発生は見られなかった。今回の観察で、端部にのみ錆の発生が見られた。
力骨付きラス(メッキなし、写真16)は 全体的に錆が発生し、 ラス部の線径が細くなり一部切れた状態になった。

試験から387日経過時には腐食はさらに進み、原型がなくなり区別できない状態まで錆は進行した。
平ラス(メッキなし、写真20)、波形ラス(メッキなし、写真28)は全体的に錆が大きく促進され、387日経過時には 腐食はさらに進み、原型がなくなり区別できない状態まで錆は進行した。

ステンレスラスSUS304(写真24)は、端部に見られた錆の箇所が増えていた (写真27) 。

波形ラス(メッキあり、写真28)は、65 日目には端部にしかなっかた錆は全体的に広がり387日経過時には、腐食はさらに進み、原型がなくなり区別できない状態まで錆は進行した。

ステープル、M-0719 は暴露開始 228 日目には錆が発生し表面に凹凸ができていた。
ステンレスステープルM-0719-S少し茶色く錆が発生していた。ステンレスステープルM-1019-Sには錆の発生は見られなかった。

異種金属電解ではステンレス同士では腐食はなく、ステンレス鉄の場合のみステンレス部にも錆が見られた。

今回の観察で暴露試験開始から387日、1年以上が経過した。硫黄泉噴煙の近傍で行った過酷な暴露試験で、ステンレスラスは錆が発生していたが、塗装ラスには端部にのみしか錆は発生しなかった。この結果から、耐食性に優れているラスは塗装ラスと言える。

以上